DTCC プロジェクトWHITNEYをメモる


ペーパーは下記プレスリリース内にリンクあり。

https://www.dtcc.com/news/2020/may/18/dtcc-unveils-proposals-to-explore-further-digitalization

現状の課題:

  • プライベート市場
    • 手作業
      • 紙ベースで所有権移転
      • 高コスト、間違えやすい
    • 市場の断片化
      • サイロ化されたソリューション
      • 業界標準の欠如
    • 非効率な適格性チェック
      • 課題毎に特有のコンプライアンスチェック
      • 後出し、受動的な対応
  • トークン化アセット
    • パブリック・ブロックチェーン
      • スマートコントラクトの未熟さ
      • スループットの問題
    • 規制可能かの不確かさ
      • パブリックチェーンの信頼度の低さ
      • 秘密鍵の盗難・紛失
    • 信頼できるサービス提供者
      • 規制下でのサービス提供の経験が限定的
      • 企業向けインフラの欠如

対象業務:

  • プライマリー・マーケットでの発行業務
  • トークン化された証券のコンプライアンスチェック(適格投資家チェック)
  • 正しいと信頼できる記録
  • アセットのライフサイクル・マネジメント

フェーズ切り:

  • Phase 1(12週間)
    • プロトタイプ開発
    • パブリック・イーサリアム上でトークンの生成と移動を記録
    • オフチェーンで別途所有権を記録
    • リアルタイムにコンプライアンスと適合性チェック(コンプライアンス・オラクルと呼ばれる機能)
    • 追加でDLTとの統合(Fabricは済、Cordaは対応中)
    • データベースにAWSのQLDBを活用
    • 発行者と投資家の事前登録
    • REST API経由でオフチェーン・システムと統合
    • 全体をWhitney Private Market Networkと呼ぶ
    • セカンダリー・マーケットでのマッチングはATSと呼ばれるシステムで使う(投資家は買い注文と売り注文をATSに投げる)
  • Phase2
    • 参加者によるテスト
  • Phase3
    • プロトタイプの展開

プロトタイプの目的:

  • 細かな話よりざっくりしたコンセプトの検証を優先
  • 課題の定義

設計上の前提:

  • Regulation D (レグディー)の株式(SECに登録せずに資金調達出来る)
  • 課題の定義

プロトタイプのメリット:

  • コンプライアンス、適格性チェックをオフチェーンにしているので柔軟に対応できる(スマートコントラクトに修正を入れなくて良い)
    • 投資家にリアルタイムで株のオーナーシップを見せられる
  • コンプライアンス・オラクルがあるので、セカンダリー・マーケットで取引されても、なおコンプラ遵守を維持できる
  • Investor Registryという集中型登録簿があるので、投資家をホワイトリストで管理できる。
  • オフチェーンでの取引記録があるので、パブリック・イーサリアムの決済完了性の問題をクリアー出来る、予測不可能な処理時間と取引コストの問題も。

パブリック・イーサリアムの問題点:

  • 処理時間のバラツキが激しい。数秒で終わるときもあれば、15分それ以上掛かるときもある。
  • 同様に取引コストもバラつきがある。金融機関は取引コストの見積もりとバジェットが必要。
  • 企業向けの場面では向かない機能が多い。

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