今回はブロックチェーンとは関係ないですが、サプライチェーンに関するレポートを取り上げています。原文はLinkedinの以下リンク。
https://www.linkedin.com/posts/maersk-group_maersk-alltheway-supplychain-activity-6702099429970722816-G21n
- China + 1 戦略…製造拠点を中国だけ集約しておくのではなく、もう一つ別の国でも製造拠点を確保することで、サプライチェーンの柔軟性、レジリエンスを高める戦略
- China + 1 戦略のメリット
- 人的コストが安い(中国は徐々に高くなってきている)
- 米中貿易戦争を避けられる
- コロナのようなパンデミックへの対応が可能
- China + 1 戦略のデメリット
- 物流コストが高くなる
- リードタイムが長くなる
- サプライチェーンの複雑さが増す
- サプライチェーンの透明性が失われる
- ⇒中国の良さは失われる
- コロナのようなパンデミックへの対応が可能
- 人気の国は、ベトナム、フィリピン、インドネシア等の東南アジア
- ベトナムの場合、2製造生産高は、2010年の150億ドル(1兆5千億円)から、2018年には400億ドル(4兆円)に成長。エレクトロニクスセクターのCAGR(年平均成長率)は、2012年-2017年で14%
- China + 1 戦略の課題
- サプライチェーンの可視性を高める必要あり。なぜなら、製造拠点の追加により、サプライチェーンがより複雑となるため。
- 中国は過去20年で先進的なインフラを備えるようになっている。この点、他国製造拠点に対する優位性。
- 中国一拠点であれば、
- サプライヤー数は少なく
- サプライチェーンは短く
- 出荷作業も最小限
- 税関でのトラブルもない
- ニアショアリング…製造工程後半における組み立て作業を最終目的地の近くで行う戦略
- 例えば、北アメリカ向けのノートパソコンをメキシコで組み立てる。
- レイト・ローカライゼーション…最終的なカスタイマイズ作業を、購入した顧客のいる国で行うこと
- 例えば、ノートパソコンへの現地語OSのインストールをその国で行う
- ニアショアリングのメリット
- 製造工程をコントロールできる
- 複数のサプライヤーを緊密に連永して、ジャスト・イン・タイムでお届け出来る
- コロナのような急激な需要変化に対応できる。
- 文化的、言語的にもそれほど大きな隔たりがない
- 時差もない
- 運送費用も定額
- ニアショアリングもレイト・ローカライゼーションもサプライチェーンに追加的に複雑さが増すことは間違いない。
- サプライ側だけでなく、マーケット側の観点も考える必要あり
- 例えば、2000年⇒2018年でインドの消費支出は、441%増加
- ケニアは622%、ナイジェリアは976%に上る
- 解決策は複雑さを減らすこと、それによりコストも減る
- 物理的なモノの流れだけでなく、情報の流れも掴む必要あり。つまり、データが大事。
- データを活用できるツールを使って商品のトレースする方法が、複数のサプライヤー、製造拠点を跨る可視性を高める有効な手段。