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- 貸し手である金融機関はは改ざんしやすい紙に依存している。
- BLの電子化はあるが、W/Rの電子化はまだまだ。
- ナイジェリアでは2020年からコモディティ取引所のAfexが電子倉荷証券システムに取り組んでいる。
- インドでは政府が2017年から譲渡可能な電子倉荷証券に取り組んでいる。まだ始まったばかり。
- 中国では、4番目に大きい国有石油会社であるSinochemが2020年にブロックチェーンベースの倉荷証券プラットフォームに取り組んでいる。
- Sinochemは中国人民銀行により管理されている。6行の銀行に使われている。ただ通常中央銀行はこのような責任を取りたくない。
- 倉荷証券の電子化が進まない理由
- 第一に、倉荷証券の特徴として、BLと異なり、クロスボーダーで認められているドキュメントではなく、国ごとに紙ベースのものである。そのため標準化が困難。
- 第二に、倉荷証券は、BLと異なりどこでも通じる権利証書として認められていない。電子化のインセンティブがない。
- UNCITRAL MLETRは倉荷証券を移転可能証券として書いているが(イングランド法)、実際のところそのようには考えられていない。
- モデル・ローと現地法制との間に差異が見られる。また倉荷証券に係る業界ルールもない。
- 最後に重要なのが、多くのプレイヤーは現状維持を希望している。デジタル化が進まない。
- 例えば、ロンドン金属取引所(LME)の電子金属保管システム(LMEshield)だ。
- 2016年に実用化し、青島のスキャンダルをきっかけに、LMEが保有する倉庫ネットワークの外にある何百万トンもの金属を電子的に記録するシステム。電子レシートを発行する。
- 主要な倉庫業者はこれを採用していない。既にマーケットシェアを取っており、インセンティブがないから。
- LMEshieldは前の所有者を見ることができる。これがトレーダーにとっては不都合。透明性を嫌がる参加者もいる。