コロナ後におけるサプライチェーンの回復、DHLの考え方をメモる


ニューノーマルをサプライチェーンの観点から考えるに当たって、物流のプロDHLさんの考え方を学びます。

原文は以下から。

https://www.dhl.com/content/dam/dhl/global/core/documents/pdf/glo-core-post-covid-eme-white-paper.pdf?j=490403&sfmc_sub=232691140&l=59_HTML&u=28791497&mid=7275327&jb=171

重要な要素は下記4つ

  • レジリエンス(柔軟かつ断絶が起こってもすぐに元通りにする力)
  • 需要
  • 輸送・運搬、入出庫
  • 現場の運用

レジリエンス

  • サプライチェーンは、遠く離れた場所で起きる無関係だと思っている事象にどれだけ脆いのかを認識することが重要
  • レジリエンスへの対応は元が取れる。つまり、コストは確かに掛かるけれども、予防の観点と安心のために支払う価値がある。
    • 小さく広く分散した倉庫は、近接して大きく集約した施設よりも、災害時において柔軟に対応できる。つまりレジリエンスがある。ただし、在庫維持管理費用が高くなるので、それが課題。でも元は取れる。
  • 工場を建設したり、生産ラインを移転したりするのはとても時間が掛かる。
    • 気を付けておきたいのは、工場や生産ラインだけが移転するだけではなく、サプライチェーン全体も移転することになる点
    • 工場や生産ラインの分散化は、しばしば新しいサプライチェーンネットワークとインフラの再構築となる。コロナ後において、これが数か月続くことになる。
  • 2011年東日本大震災のときの自動車業界のリアクションが参考になる。
    • トヨタ、スズキ、日産は製造・組み立てラインはもろに影響を受けた。
    • しかし、ここで二つの重要な教訓を得られる。
      • 一つ目:自動車メーカーはtier2, tier3, tier4のサプライヤーの物理的な場所について知っておく必要があった。分かったときには時すでに遅し、東北地方に広く散らばっていたことが分かった。
      • 二つ目:調達先を1社に依存するのはリスクが高い。厳密には1社ではなく、一か所の工場に依存するという意味。
  • サプライヤーは財務状況や緊急時の対応、代替手段を評価しておくことも重要
    • 倉庫や配送ネットワーク、顧客との緊密な連携、需要の変化パターンなどを再評価しておくこと
    • サプライチェーン横断で協働すること!

需要

  • 人がパニック買いする理由は、他の人がパニック買いするからだ。
  • てことで、解決策は在庫をため込むこと!?
  • それだと、ブルウィップ効果が起きてしまう。落ち着くのには相当な時間が掛かる。
  • ニューノーマルに突入するに当たっては、
    ”念の為買い溜めしておく”⇒”いつでも入手できる”、に変わっていく。
  • てことで、需要変化に正確に対応するために、在庫管理は商品別かつSKU(最小の管理単位)で行う必要がある。
    • ある特定の商品を市場に届けるためのコストを正確に把握しておくこと
  • 過去の経験を記録に残してノウハウとして蓄積しておくことが需要
  • 需要予測は決して科学的に決められないので、むしろ起こってしまうことに柔軟に対応できるようになっておくことが必要。

輸送・運搬、入出庫

  • リードタイムと運搬コストのトレードオフを再評価する必要あり。これまでの前提はもはや通用しない
  • 工場の場所とレイアウトが商品に及ぼす影響を再評価する必要がある。これまでの前提はもはや意味がない。

現場の運用・実践

  • リモートワークをサポートするシステムを整えること
  • 新しい業務プロセスには適切なスキルが必要。教育には継続的に投資すること。

何よりも大事なことは、手遅れになる前にやっておくこと。